俄歩
「山に登ること」 は、与えられた条件の中で新しい経験を積むことに 他ならない。 だから、  自然と向き合える体力  自然を味わえる感性  自然に応えられる知力 を大切にしたい。
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
 学生時代に歩いた山、
歩きそびれた山々、
かって妻と歩いた山をひとり
静かにたのしんでいます。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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水の塔山・篭の登山
 あざやかな紅葉は 闊葉樹の終焉を華やかに飾るような 一瞬の輝きを与えてくれるが、
カラマツの林はもう少し落ち着いた静寂に包まれている。 むしろ郷愁をいざなう。

 昨年と同じ季節に信州小諸から浅間外輪山周辺を訪れた。
車坂峠や地蔵峠の植林のカラマツ林の静けさもさることながら、篭の登山中腹の風雪に耐えた
自然林はとりわけ美しかった。
                                    (写真はクリックして拡大してください)
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車坂峠           地蔵峠            浅間嶺にけぶり立つ見つ
                                    からまつのまたそのうへに・・・(白秋)

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カラマツの自然林


「山行クロニクル No.45」  水の塔山・篭の登山      単独
’09.10.28(水) 浦和=上信越道小諸IC=車坂峠=高峰温泉~水の塔山往復~温泉(泊)
    10.29(木) 温泉=池の平湿原~篭の登山往復~湿原散策=地蔵峠=鳥居峠=菅平高原
             =上信越道上田IC=浦和

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水の塔山(2202m)   篭の登山(2228m)

10.28(水)晴れ
 水の塔山の中腹 わずかな角度で仰ぐ山頂を眺め、西日に金の針を輝かせるカラマツの樹林を
登る。 振り返れば眼下もカラマツのからし色の波。

P1000221.jpg 風もないのに金の針が降り注ぐ

P1000223.jpg 眼下のカラマツ林

 頂上からかすむ四方を眺める。
昨秋歩いた外輪山、黒斑山と蛇骨岳の奥に噴煙をあげる浅間山。前掛山のピークも僅かに覗く。
篭の登山への稜線と東篭の登山が間近に迫る。
遥か北西には はや白銀の蝙蝠が中空に浮かんでいた。

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水の塔山 山頂

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蛇骨岳の奥に浅間山   篭の登山への稜線    東篭の登山        冠雪の後立山連峰

 夕方 下山。 カワラヒワの4~50羽の群れが キュキュ、キリリと啼きかわし、カラマツ林の上を
飛び交う。翼と尾の黄色が夕陽に映えて光る、カラマツ林には相応しい。

 高峰温泉の湯を楽しみ、熱燗の地酒がことのほか美味しかった。
この宿恒例の夜の星の観測会に参加したかったが、この夜は曇天で行われなかった。残念。
先週のオリオン座流星群の折は素晴らしかったことだろうと想像する。

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湯宿             宿の湯


10.29(木) 曇りときどき晴れ
 池の平駐車場に車を置き、篭の登山を目指す。

東篭の登山登山道 点描
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 一等三角点を持つ360度展望の東篭の登山頂上。
吹き上げる風の音が急に立って耳に聴こえる。 いささか寒い。
近くの八ヶ岳は蒼黒く 奥秩父の峰々も、また遠く頚城火山群や表銀座などが視界に入った。

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東篭の登山 山頂     右から 西篭の登山・湯の丸山・烏帽子岳

 何人かの登山者と挨拶を交わし 下山にかかると、小学校高学年の団体が元気よく登ってくるのに
出遭う。声をかけ励ましていると 皆、明るい返事が嬉しい。

 下山後 池の平湿原を散策する。こちらは中高年グループと若い独り歩きの女性が目立った。
湿原を一周、クロマメノキの完熟したのを摘まみ 篭の登山や浅間の煙を見納め、
地蔵峠から菅平高原へと向かった。

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完熟             湿原から篭の登山    浅間の煙          カラマツの実


 最近は 私の肩を引くザックは随分と軽くなった。
いつまで歩けるだろうか・・・。
ピッケルの代わりにストックを持つようになってから、どこかでこの答えを探している自分に気づく。
二日以上の縦走でなければ もはやツェルトも自炊用具も燃料も持たなくなった。

 いずれ一人の登山者から 一人の旅人へ・・・と 歩く道も変わっていくことだろう。
そのとき、ザックの中には ウイスキーの代わりに葡萄酒が きっと入っているに違いない。

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地蔵峠                              (写真はクリックして拡大してください)











      










テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

吾妻山
 東北の秋は足早に来て去っていく。
福島県と山形県の県境に連なる吾妻連峰、その北麓に 首都圏からだと山形県側からしか
車の入れない鄙びた湯が点在している。
五色・滑川・姥湯・大平など秘湯の一軒宿である。

 かって、滑川や姥湯の白濁の湯に浸かり、兵子への急登を攀じて吾妻連峰の主稜線、
烏帽子や東大巓を歩いたことがあった。
今回は日程も短いので 裏磐梯・桧原湖から白布峠を越え、天元台から吾妻山を目指したが、
テレビドラマの影響で人気の米沢・白布温泉は一人旅では予約が取れず、
天元台高原中腹の新高湯温泉に前泊した。
                                        (写真はクリックして拡大してください)
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桧原湖北岸の紅葉                    白布峠から西吾妻山


「山行クロニクル No.44」  西吾妻山        単独
’09.10.22(木) 浦和=東北道・磐越道猪苗代磐梯高原IC=桧原湖西岸=白布峠=新高湯温泉(泊)
    10.23(金) 温泉~天元台リフトー北望台~かもしか展望台~大凹~梵天岩~西吾妻山
              ~天元台=浦和

 バスの通らない桧原湖西岸は比較的静かで、湖北の紅葉はとりわけ見事であった。
とりどりの秋の色がはじけて、白布峠の陽だまりの晩秋の眺めは さらに北へ北へと旅情を誘う。

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峠から桧原湖を振り返る     ダケカンバの白木に点在する色

 パステルカラーの絵を眺めるような 落葉したダケカンバの白木に混じる色彩、その上部 西吾妻山
へは濃緑の針葉樹林帯。
宿に着き 湯を味わった後、裏山を歩き紅葉に浸る。

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滝見の露天風呂      僅かな若緑が目を惹く

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裏山天元台への登山道 点描             山の恵みたち

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宿の部屋から直面する兜山を望む

 深夜、オリオン座流星群をと 窓を開け底冷えの中しばしねばったが、山あいに開けた方向が
悪かったのか願い事は適わず。

10.23(金)晴れ
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朝の兜山

 何となく晩秋の山を晴れた日に少しだけ歩きたいという気儘な願望に引っ張られて この西吾妻山
の麓にやってきたが、ひとり旅というのは自由であるが故に最初の踏み出しが重いもの。
いつものちょっぴりの憂鬱と それに負けまいとする昂揚感を抱いてザックを揺すり上げる。

 天元台高原のリフト乗り場まで30分、宿の裏山を登る。
白布温泉からのロープウエイでここまで上がってきた登山者と合流する。

 リフト終点 既に標高1800mを稼いだ北望台から登山道に分け入る、9時10分。
人形岩へ廻り そこから稜線を歩く予定が、前後にカランカラン、チリンチリンと熊鈴を鳴らす登山者に
はさまれ、彼らを避け、直接かもしか展望台への道へ逃げる。
針葉樹林に朝陽が射しこみ よい雰囲気だ。
さっそく小鳥の囀りが聞こえるようになり、夏鳥であるオオルリの声も聞かれた。

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かもしか展望台への登山道

 展望台から大凹にかけては明るい木道歩き。
セピア色の枯れ草と池塘、濃緑のオオシラビソの低木、透き通る蒼穹。

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稜線の池塘         吾妻連峰の峰々

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大凹の清水         梵天岩への道

 大凹の清水を過ぎると梵天岩にかけては大石ゴロゴロのちょっとした急登。山登りを・・・味わう。
展望のきく梵天岩。
東側は 東大巓から家形山、一切経山など連峰の縦走路。西から北へかけて 飯豊連峰、朝日連峰、
月山、蔵王などの峰々が浮かぶ。

 この広大な吾妻連峰、山スキーの季節は ここから谷地平を経て浄土平まで長躯スキーを
楽しむパーティがあるのだろう。
スキーの苦手な私には想像して楽しむだけである。

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梵天岩                            遠く 朝日連峰(左)と 月山(右)

 吾妻神社の祠を右に見て、西吾妻山 山頂 11時少し前。
オオシラビソの樹林の中に ポツンと山頂標識が立つ。
吾妻連峰の最高点(2035m)であるにもかかわらず、この山頂には三角点は無い。

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西吾妻山          山頂             西大巓

 再び梵天岩に戻り、日溜まりの中微風に吹かれながら昼食。
相前後してきた私より幾分年配の単独行の方と歓談。東北地方独特の語りを楽しく聞く。
彼は この程度の樹林なら 昔は櫓を組んで測量している筈だから、この眺望からすれば
一等三角点が無ければおかしい と言い張る。20分ほど山頂で探し回ったそうだ。

 一切経巻が埋められていると語り伝えられる岩屑だらけの禿山、一切経山とその足下に
吾妻小富士が霞んでいる。


 下山時、リフトから眺めた中腹の紅葉、ダケカンバはやたらと白く光っている。

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新高湯温泉
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湯宿             檜の内風呂

 源泉55度、裏山から自然湧出の含硫黄・カルシウム硫酸塩泉 掛け流し。
折角 自然と向き合いに山へ来ているのだから やはり手を加えていない湯・・・、鄙びていても
また 荒々しいままであってもそれが好きである。
浴槽から溢れ出る湯に浸かり 往く手の嶺に想いを膨らませ、下山後は その山行の残照を
噛みしめながら疲れを癒す。
贅沢ではあるが、私の山行のいつもの楽しみのひとつである。

 この次は カラマツの林を歩きたくなった。

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                                   (写真はクリックして拡大してください)


















 

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

浅草岳
 気象予報は連日雨 雨。 しかも台風(18号)が近づいているとのことで、私の鈍足では 素泊まりの
頂上小屋泊りが必要な越後駒ケ岳から日帰りできる浅草岳(1585m)へ変更、
前泊している栃尾又温泉を早立ちして六十里越~会津柳津に至る街道を 大白川本村から、最近
整備されたネズモチ平登山口へ向かった。

「山行クロニクル No.43」 浅草岳       単独
’09.10.6(火) 栃尾又温泉=小出・会津街道=ネズモチ平駐車場~白崩沢~前岳~浅草岳頂上
            ~前岳~嘉平与ポッチ~桜曽根~登山口=栃尾又温泉(泊)

                                     (写真はクリックして拡大してください)
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浅草岳            山頂

 朝 7時 小雨の中、浅草岳山麓登山口ネズモチ平駐車場着。
50~60台は駐車できると思われるトイレ付きの広場には 1台の車も無し。
「最近出没している熊に注意」の朱書きを気にしながら登山届に記入。

 ここからは浅草岳の頂上は望めないが 手前の前岳への稜線と連なる嘉平与ポッチが覗まれた。

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前岳と嘉平与ポッチ    白崩沢

 7時半、雨上がりの曇天のもと、白崩沢沿いに前岳を直登する雨水の流れる登山道を歩きはじめる。
ブナの自然林が美しい。
往路は前岳直登、帰路は前岳から嘉平与ポッチを越えて桜曽根を降り サクラソネ登山口に降りる周回
とした。

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地図(下山時に写す)

 ブナ林を抜け岩稜を喘ぐ頃から 時折 獣の臭いが強くなり、高音のホイッスルを吹き鳴らす。

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登山道の紅葉 点描

 約2時間ちょっとで浅草岳を指呼の間に見る前岳(1568m)に辿りつく。鬼ヶ面からの縦走路および
桜ゾネからの分岐点である。
 前岳から浅草岳への稜線は 草もみじにドウダンツツジやミネカエデの刺繍が鮮やかだ。
確実に秋は訪れている。
ここは夏には美しい花畑だったことだろう。

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浅草岳への稜線                      草もみじ

 10時30分、一等三角点を持つ頂上着。 誰もいない。
360度の眺望が開けるも遠方は雲に覆われ判然としない。それでも尾瀬方面、燧ケ岳や至仏山、
ここから尾根通しに連なる北岳、鬼ヶ面山の奥に越後駒ケ岳や八海山、またその奥に一昨日歩いた
武尊山が・・・。
反対越後側、守門岳は雲の中。

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頂上の一等三角点    前岳を振り返る      うっすらと尾瀬 燧ケ岳  見下ろす田子倉湖

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縦走路 北岳方面

 幸いにも雨は落ちてこないが 稜線を風に吹き上げられた雲が這い上ってくる。実に美しい。
繚乱する雲の動きに胸が躍る。

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稜線に踊る雲

 夏山の花々に彩られたひかり輝く世界と異なり ただただ透明な静けさが漂う秋山。
1時間後、名残惜しい独り占めの山頂を後に 再び前岳へ・・・。
この分岐から帰路は嘉平与ポッチを越え、桜曽根を辿る。

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嘉平与ポッチ        ポッチから前岳を振り返る     北岳への稜線

 2時間ほど坦々と降り 登山口近く 皇太子殿下登山記念に設置された浅草の鐘を鳴らし、
サクラゾネ登山口に降り立った。

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浅草の鐘

ここからネズモチ平登山口へは30分ほどの林道歩き。
途中、増水し林道に溢れる沢水の中にサンショウウオの赤ちゃんを見つけ、しばし楽しむ。

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サンショウウオの赤ちゃん

 駐車場 2時過ぎ帰着。私の車以外やはり1台もなし。
今日一日 登山者には一人も遭わず、浅草岳は独り占めだった。
覚悟していた雨にも降られず まったく静かな初秋の山を楽しめた。

 今年は丹沢山、富良野岳、月山、(武尊山)、そして浅草岳と 一等三角点を持つ展望の山が
多かったな と振り返る。

再び 栃尾又温泉へ・・・。
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魚沼 点描

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栃尾又温泉 自在館の湯
        (低温のラジウム温泉 掛け流し)


 早春と晩秋、歩く山の色は残雪と紅葉と大きく異なるが、この両季節、胸中に湧いてくる感慨は
やはり放浪願望だろうか。
もはや重荷は持てず、小屋泊りか一旦降り温泉泊りで道を繋ぐ歩き方しか出来ないのだけれども・・・。
上州・越後・会津の交錯するこの奥利根から奥只見周辺は、僅かながらも昔の面影を残していると
想う。

 この先、台風に遮られた計画を歩く機会をまた持ちたい と願っている。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

武尊山
 日がつまる今頃の季節は 山も里も秋がはじまる。
そして、向かう峠や里山はこの季節特有の旅心をそそる魅力を漂わせている。
上州 奥利根・藤原の里や湯ノ小屋の里を知ったのは、先年亡くなられた登山家 川崎精雄氏の
「春山を去る日」(S37年)という小文にいたく感じ入ったことによる。

 武尊 藤原笠 至仏 日崎 雨ヶ立 朝日 宝川笠などの山々に囲まれた静かな山里、この藤原の郷
は東北地方から尾瀬を越えて移り住んだ狩猟の民が始まりで、300年前 既に1000人を超す人口が
あったという。
 今や、幾つものダムの造成やホテル開発により その面影は偲ぶべくもないが、私としては
その昔、この地と矢木沢ダムの湖底に沈んでしまった湯の花温泉を訪れた学生時代が懐かしく
想い出される地である。

 その後、湯ノ小屋沢川の景勝 照葉峡に妻を伴い紅葉を訪ね、湯ノ小屋温泉に泊ったこともあったが、
今回は武尊山に登り、下山後 廃校となった上の原分教場を改装した山荘に泊まり、藤原の里を
再び覗いてみようと計画した。


「山行クロニクル No.42」   武尊山      単独
’09.10.4(日) 浦和=関越道水上IC=武尊神社 裏見ノ滝駐車場~不動明王~手小屋沢
            避難小屋~クサリ場上(ここで撤退)~湯ノ小屋温泉(泊)
    10.5(月) 湯ノ小屋~藤原の里散策=水上IC=小出IC=栃尾又温泉(泊)

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登山口 武尊神社     マユミ

 早朝3時に家を出て、武尊神社 裏見ノ滝駐車場 6時着。日曜日とあって既に7~8台の車があった。
朝食後、眠くて身体が重いが用意を整え 神社に詣で7時20分、登山道へ分け入る。

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登山道の紅葉 点描

 計画では、手小屋沢尾根を登り 武尊山~剣ヶ峰山を経て、武尊沢沿いの尾根を降り周回する予定
であった。
前日までの雨で濡れ落ち葉の下に隠れた木の根で滑ること夥しい。気が抜けない急登を喘いで
針葉樹の森まで上がる。
手小屋沢分岐への急登で滑り、転倒を防ごうと余計な力がかかったのかストックを折ってしまった。

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手小屋沢分岐

 この分岐で大休止。何組かの健脚者が先行していく。
避難小屋を過ぎ再び急登にかかる。 最初のクサリ場を攀じり、休止。 既に11時。
最近の登りは極めて鈍足である。

 山頂まであと1時間弱であろうが もう今日は此処までと 手小屋沢右岸尾根のダケカンバの紅葉
を眺め、往路を降ることにした。

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クサリ場           始まった尾根の紅葉

 3時前、駐車場に戻り 今夜の宿 湯ノ小屋温泉へ向かった。
武尊山頂からの雄大な眺望は また次の機会となってしまったが、奥利根周辺の峰々は岩山にない
幽玄の雰囲気がこの季節 好もしい。

藤原の里 点描

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 時の移ろいは速く また激しいものであった。
もはや昔の面影はまったくといってよいほど無くなってしまっていた。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ