俄歩
「山に登ること」 は、与えられた条件の中で新しい経験を積むことに 他ならない。 だから、  自然と向き合える体力  自然を味わえる感性  自然に応えられる知力 を大切にしたい。
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
 学生時代に歩いた山、
歩きそびれた山々、
かって妻と歩いた山をひとり
静かにたのしんでいます。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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大台ヶ原
 北東北や奥秩父の原生林を味わう機会は多々あったが、年間降雨量5,000ミリ
という屋久島同様 世界有数の雨水量を誇る大台ヶ原の自然林を歩きたく
奈良最深部の山峡を訪れた。

 三重県との県境、台高山脈の南端、大台ヶ原駐車場まで関東近郊からは
約600キロ。
三年前、新幹線利用で桜の季節に 吉野山の千本桜を満喫したが、今回は車で
一週間の旅程を作り奈良県南部周辺の山と秘湯を味わった。

P1010021.jpg P1010041_20100522215908.jpg P1010089_20100522220000.jpg 大台ヶ原の樹    (写真はクリックして拡大してください)


「山行クロニクル No.54」 大台ヶ原・東大台一周       単独
’10.5.17(月) 旧大台荘(前泊)~日出ヶ岳~正木峠~牛石ヶ原~大蛇~
            シオカラ谷~大台ヶ原駐車場=上北山温泉(泊)

 星の観測やトウヒ(エゾマツの変種)やブナの樹海で知られる大台ヶ原、前泊した旧大台荘
の夜は満天の星の輝きに充足。
当初計画では 台高山脈最高峰の日出ヶ岳(1694m)から、原生林と渓谷を経て
宮川ダムに至る屈指の名渓を下山したかったが、大杉谷への道は ’07年の台風で崩壊、
残念ながら いまなお通行止めであった。
 歩いたのは 大台ヶ原・東大台一周、約10キロ 4時間の散策コース。

P1010051_20100522222302.jpg 東大台周回図

P1010012.jpg P1010019.jpg P1010038.jpg
登山道 点描

 珍しくも晴天の下、山荘(駐車場)から日出ヶ岳へは整備された静かな登山道を坦々と登る。
山頂は360度展望の一等三角点。

P1010042.jpg P1010032_20100522223323.jpg
日出ヶ岳          山頂の三角点

 山頂からは 東に黒潮の熊野灘が霞み、西には 北から南へ 女人結界をいまなお譲らない山上ヶ岳、
そして大普賢岳~行者環岳~弥山~八剣山(八経ヶ岳)~仏生ヶ岳~釈迦ヶ岳へと続く
大峰奥駈道の稜線が屏風のように展開している。
 
P1010039_20100522225722.jpg P1010029.jpg P1010034.jpg
大峰山奥駈道      八剣山(八経ヶ岳)と釈迦ヶ岳  大普賢岳と山上ヶ岳方面

 正木峠への道は鹿の食害による立ち枯れ樹林帯。
正木ヶ原では 南限のトウヒの森がまだ健在であった。

P1010044_20100522231147.jpg P1010045.jpg P1010047.jpg
                                トウヒの森


 大峰奥駈道では「東や西の覗き」の修行場が著名であるが、大台ヶ原でも
同様の大蛇(だいじゃぐら)の覗きが楽しめる。
懸崖に突出した岩壁、眼下は1000mの大絶壁。
中空に不動返しのがそそり立つ。

P1010053.jpg 大蛇からの眺め

 その後 牛石ヶ原を経てシャクナゲ(ツクシシャクナゲ)のトンネルを潜り、
鞍部、シオカラ谷の吊橋の下で清流にしばし憩い 汗を拭う。

P1010069.jpg P1010074_20100523000336.jpg P1010073.jpg
シャクナゲの群落

P1010077.jpg P1010081_20100523000704.jpg P1010079_20100523000758.jpg P1010084.jpg
シオカラ谷                                      見つけたタラの芽


 昼食を含めて約5時間。五月晴れの平日、樹間に小鳥のさえずりが絶えない静かな
散歩道であった。



東熊野街道・十津川街道 点描
P1010097.jpg 大峰山(弥山・八剣山)登山口

P1010105.jpg 谷瀬の吊橋

P1010114_20100523002500.jpg 小雨の十津川

 十津川街道は 左手山上に大峰奥駈道、右手林間に熊野参詣道(古道)と
二つの世界遺産に挟まれた日本一広い村を縦断する。
この川筋の狭隘の道の両側には 新緑の中にヤマフジとキリの紫色が彩りを添えていた。
その後 4日間、「漂えど沈まず」、ひとり旅の本質を満喫した。

P1010118.jpg P1010119.jpg 湯泉地(とうせんじ)温泉
源泉60度、単純硫黄泉、掛け流し。秘湯を守る会会員。

P1010122_20100523010009.jpg みかんの花         (写真はクリックして拡大してください)




テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ