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三ツ峠山 |
北面の富士 (写真はクリックして拡大して下さい)
再び富士山が冠雪したので 信州小海線沿線の天狗山からの帰途、 甲府から精進ブルーラインで御坂山塊を越え 精進湖へ抜け、毛無山の麓 朝霧高原で休息した。
夕陽のすすきの原が美しい溶岩台地。 黒く闇に溶け込んでいく毛無山(1945m)をいつまでも眺めていた。 天子山塊のこの山はいつかは登りたい峰のひとつであるのに なかなか足を踏み出せないでいる。
「山行クロニクル No.75」 三ツ峠山 単独 ’11.11.16(水) 精進湖(前泊)=みさかみち・三ツ峠山登山口~山頂往復~ 登山口=中央道河口湖IC=浦和
開運山(1786m)、木無山(1732m)、御巣鷹山(1775m)の三山の総称、三ツ峠山。 この峰はかって歩いたことのある東麓のいこいの森から達磨石を経て開運山に至るか、 人伝に聞いた北口登山道で御巣鷹山への道がお薦めであるが、 前日の天狗山からの帰途でもあり 標高差が最も少なく距離も短い裏登山口から歩いた。
みさかみちからの河口湖と富士
みさかみち三ツ峠登山道は 富士が雪を戴きはじめるとアマチュアカメラマンでいつも賑わう。 山頂直下の二つの山小屋のジープが昇降する味気ない幅広の登山道を 8時前から黙々と歩きはじめる。
時折、ツツピー ツピツピッ とシジュウカラ、 ピーッ ピッはヤマガラか・・・? 小鳥の囀りが嬉しい。
登山道 点描 ヤマモミジの黄 モミの緑 霜柱の白
三ツ峠山荘前で端正な北面の富士に見入り、 四季楽園山荘からは山頂とクライミング場を覗く。
端正な富士
木無山側から山頂を仰ぐ
クライミング場を覗く
開運山山頂への登りでイワヒバリに出遭う。 越冬のため低山まで降りてきているようだ。 イワヒバリ
電波塔が林立する山頂、近くは御坂山塊や七面山、奥に南アルプスを楽しむ。 東に道志の御正体山が大きい。
山頂の碑
十二ヶ岳(左) 黒岳(中) 御坂岳(右)と奥に南アルプス
霞む本栖湖と七面山方面
平日でも下山時は多勢のハイカーや登山者と行き交う。 皆、この晴天に早く登頂したいのであろう「あと どれくらいですか?」と 何度も尋ねられた帰り路であった。 (写真はクリックして拡大して下さい)
参考:南面の富士(昨冬の越前岳・十里木高原より)
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天狗山 |
天狗山 (写真はクリックして拡大してください)
日本全国に50座近くも点在するという天狗山、その最高峰 1882mの天狗山が 長野県南佐久郡川上村にある。 (*追記をご参照ください) 同様の名称、天狗岳は少なくて八ヶ岳天狗岳(本州)、石鎚山天狗岳(四国)、朝里天狗岳(北海道) など数座を数える。 それぞれ最高峰の天狗山(1882m)と天狗岳(2645m)が JR小海線を挟んで対峙していることに気が付き、まだ、未踏の岩峰 天狗山山頂から 八ヶ岳の天狗岳を眺めてみたくなり、早朝、信濃川上村へ向かった。
「山行クロニクル No.74」 天狗山 単独 ’11.11.15(火) 浦和=中央道須玉IC=川上村馬越峠 ~天狗山往復~馬越峠=富士山麓・精進湖(泊)
麓から仰ぎ見る天狗山はちょっとした岩峰。 地形上は秩父山塊に属するようだが 西上州の岩峰の雰囲気。 麓の大深山から直登すると3時間以上かかるも、南相木村へ抜ける川上佐久線の 馬越(まごい)峠からの尾根道を歩くと 1時間少々で山頂に達するとのこと。
山麓のカラマツ林が美しい
朝10時、カラマツの黄葉が絨毯を広げる馬越峠の駐車スペースには 神戸Noが1台駐車。 わざわざ兵庫県から遠征してこられるとは・・・、ますますこの峰に興味が深まった。
登山口と地図
冬枯れの雑木林の落ち葉に足をとられながらの急登を少しこなすと 気持ちの良い尾根歩き。 風が冷たい。
雑木林 霧氷 尾根から見る御座山
徐々に高度をあげると やせた岩尾根となり山頂が覗ける。 北側は霧氷で白い樹林が美しい。 越えてきたちょっとした岩稜を振り返り 霧氷の林へ入る。 シャクナゲに覆われた山頂直下は両手を使っての岩捩りとなる。 まだ膨らんだ花芽はないが 花の季節は美しいことだろう。
この岩場で 神戸からきた男女4人のパーティとすれ違う。 今日 この山で出遭ったのはこの1組だけ。
岩場になり 山頂を覗く
越えてきた岩稜 北側は霧氷の林 霧氷の中へ
峠から1時間10分ほどで 1882m、三角点のある山頂へ。 静かで狭い岩の広場を独り占め。 風の音だけが耳に立つ。 稜線はこの先西側、男山(1851m)まで続いている。
360度の眺望。 さっそく 八ヶ岳連山の天狗岳に見入るが、連峰の頂は雲に隠れてしまっている 残念。 北隣りには御座山が大きく、浅間山も望める。 東に 三宝山や甲武信岳、東南には小川山や金峰山 それに私の好きな瑞牆山など。
山頂
男山への稜線
八ヶ岳方面 浅間山方面 御座山
40分ほどくつろぎ 八ヶ岳山頂の雲がとれるのを待つが、西から次々と雲が湧き 途切れそうにない。黒い雪雲が拡がり 天気は下り坂の気配。 男山への稜線に足を踏み出さず 往路を下山する。
この季節の天狗山、山塊としてのスケールこそないが、 ミズナラ、ツツジ、リョウブなど冬枯れの雑木林、岩稜、シャクナゲのトンネル、霧氷の樹林など 次々と目先の変わる楽しい峰であった。 もう少し晴れていれば 最高峰の天狗山から最高峰の天狗岳を眺めることが できた筈であったのに・・・。
また 山麓のカラマツ林も美しかった。 晩秋、カラマツとかブナの単一林は彩りの派手さは無くとも ただただ遥かに過ぎ去った昔を 想い出させるに十分な静かさを いつもながら味わせてくれる。
(写真はクリックして拡大してください)
*追記 山スキーの好きな友人から 立山連峰天狗平の南に天狗山(2521m)があり、 これが天狗山の最高峰ではないかとの指摘を受け 調べなおしました。 すみません、訂正いたします。 因みに 日本山名事典(三省堂)によると 天狗山は 全国49座、天狗岳は24座と約半数でした。
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氷ノ山 |
氷ノ山 山頂 (写真はクリックして拡大して下さい)
かって京都在住時代、季節ごと、また雨や雪の気象ごとの名勝・古刹・遺跡・行事を 尋ね歩いたが、山については 石灰岩の滋賀・草津方面が多く、兵庫の峰を歩いたことは なかった。 そこで、日本海に面した丹後半島の伊根の舟屋を尋ね、兵庫但馬の出石の新そばを味わい、 中国地方大山に次ぐ第二の高峰 氷ノ山(ひょうのせん)を歩こうと片道800キロを 遠征した。
静かな湾をぐるりと取り巻き、一階はそのまま舟を曳き入れる構造の舟屋の風情を楽しみ、 初日は 夕陽の美しい丹後温泉に宿泊。 翌日、但馬の出石に入り 新蕎麦粉の皿そばを賞味した。
伊根の舟屋(遠景)
出石町 点描
「山行クロニクル No.73」 氷ノ山 単独 ’11.10.29(日) 浦和=東名・北陸道敦賀IC=丹後半島伊根=間人(たいざ)(泊) 10.30(月) 間人=出石=養父市福定親水公園キャンプ場(車中泊) 11. 1(火) 親水公園登山口~布滝~地蔵堂~氷ノ山越~コシキ岩~山頂 ~東尾根~東尾根登山口~親水公園=姫路市夢前町(泊)
登山口 福定親水公園
登山道図
30台ほど駐車可能な登山口の宿泊組は 神戸・堺・岡山など近県Noの方々ばかり。 ここ福定親水公園登山口は標高600m、氷ノ山山頂1510mへは標高差約900m 距離5.4キロ、東尾根を降る周回コースで約10キロ強の行程。
朝7時過ぎ 好天が予想される雰囲気を背負って登山道へ、 9月の台風で氾濫 流木が重なり合う八木川上流の河原をしばらく遡り、自然林に入る。
布滝
登山道 点描
落差65mの布滝を眺め、沢沿いに処々で崩壊し高巻きを強いられながらしばらく高度を稼ぐと 美しい天然スギのトラバース道になった。 単独行で知られた登山家 加藤文太郎氏が泊ったとされる地蔵堂を過ぎ、再び登りとなり ひえの水、弘法の水、一口の水などの水場を経て、 氷ノ山の頂を間近に眺められる氷ノ山越(乗越)に着き、一服。 設置された避難小屋は 厳冬期の豪雪が予想される鉄骨高床式の急な三角屋根。
氷ノ山越 逆光の山頂を望む
ここからは北の鉢伏山から続く尾根の縦走ルートになり、幾組かのパーティと 相前後して秋の陽射しを浴び、冬枯れのブナ林の下を坦々と歩く。
尾根の縦走路
ちょっとした岩峰 コシキ岩を巻き、11時少し前に氷ノ山山頂へ。 北に扇ノ山、西に中国山地など馴染のない峰々が霞んでいる360度展望の一等三角点 の頂であった。
登路を眺めながら簡単な昼食。秋色といっても派手さはない。 氷ノ山(ひょうのせん)、まさに名の通り雪の季節にその魅力が引き出される峰のように 想った。
山頂広場と一等三角点
山頂に至るルートは幾つもあり、頂上には単独行も含めて5組ほど。 妻に携帯電話を入れたら、「いま、銀座なの~」と明るい声が返ってきた・・・。
下山は東尾根伝いの道をとり、笹原を分け古杉を潜り神戸大のヒュッテへ。 その後はドウダンツツジの赤がまだ美しい尾根歩きが楽しかった。
下山道 点描
東尾根の雰囲気
東尾根登山口へ下山
東尾根下山後は親水公園登山口まで舗装の林道を歩き、車を回収。 その日は姫路市の北のはずれ、夢前川に沿って 翌日予定した雪彦山の登山口を 覗きに走った。 九州福岡の英彦山、越後の弥彦山とならんで三彦山と称される修験者の聖なる山、 雪彦山(せっぴこさん)、915m。
標高こそ低いが 岩峰であること。 また、山の本などに執筆されている池内 紀氏の自分風土記の一遍に この夢前川の一文があり、興味を惹かれた峰のひとつでもあった。 が、結局、翌日は急用ができ 登ることなく帰京することになってしまった。
城崎や有馬など著名な湯に寛ぐこともなく、晩秋の薄日に柿の色が映える京都・兵庫の 日本海側の風情に親しんだ旅であった。
雪彦山登山口
孫娘Meiのために丹後半島で購入したつるし柿用の渋柿 (写真はクリックして拡大してください)
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