俄歩
「山に登ること」 は、与えられた条件の中で新しい経験を積むことに 他ならない。 だから、  自然と向き合える体力  自然を味わえる感性  自然に応えられる知力 を大切にしたい。
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
 学生時代に歩いた山、
歩きそびれた山々、
かって妻と歩いた山をひとり
静かにたのしんでいます。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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守屋山
P1030561.jpg P1030537.jpg
守屋山東峰山頂      南八ヶ岳              (写真はクリックして拡大して下さい)

 この冬は雪山行に出かけられなかったので せめて、白銀の高嶺を間近に展望できる春山を・・・
と、山岳図を眺めていた。
北・中央・南のアルプス連山をぐるりと望める手軽な峰というとやはり信州、
富士見高原の入笠山(1955m)、立科の八子ヶ峰(1833m)、諏訪の守屋山(1650m)が
候補となったが、入笠山は昨春登ったばかり また八子ヶ峰は道路事情が悪く、
帰途にいにしえの道・秋葉街道を楽しめる守屋山と決めた。

 諏訪湖の西に連なる伊那山脈の最北端の独立双耳峰、守屋山は諏訪大社上社本宮の神体山と
されている。
それに、信州上諏訪から遠州浜松天竜川沿いの秋葉山に至る古道、秋葉神社詣での秋葉街道(152号線)
は一度は走ってみたい道のひとつでもあった。

「山行クロニクル No.76」 守屋山
’12.3.29(木)甲州街道・蔦木宿(前泊)=茅野・杖突街道=杖突峠登山口
           ~分杭平~守屋山山頂~杖突峠=高遠町=大鹿村=鹿塩温泉(泊)

P1030513.jpg 春を待つ釜無川(蔦木宿周辺)

P1030515.jpg P1030516.jpg 杖突峠駐車場 と 枝尾根登山口

 前夜、春の前触れの猛吹雪で再び雪化粧した杖突峠登山口に駐車、
9時少し前に分杭平への枝尾根に取り付く。
陽春の日溜まりのカラマツ林を抜け ザゼンソウ自生地のある分杭平へ、
無雪期はここまで車が入れるようで管理小屋や簡易トイレなどの設備もある分杭平で小休止。
ザゼンソウはまだ芽吹いていなかった。

P1030520.jpg P1030517.jpg P1030521.jpg P1030522.jpg
ザゼンソウ自生地                                     分杭平

 此処から緩急の登高となり 昨夜の薄雪の下にガチガチの圧縮された氷ゆえアイゼンを着ける。
スパイク付ゴム長靴で軽装の同年輩の方がニコニコと挨拶、ちょっと立ち話のあと先行していく。
この晴天で家を飛び出してきた地元の方だ。

P1030565.jpg P1030563.jpg P1030564.jpg
凍った登山道       ミズナラと白樺の道    カラマツの樹間に蓼科山が覗く

 ポカポカと暖かい陽射しを浴び、小鳥の囀りを楽しみながら
ミズナラや白樺の樹間を登り 雪に埋もれたクサリ場を超えると尾根筋に飛び出す。
低山とはいえ4か月ぶりの山行、息はあがるがやはり山はいい。

 杖突峠から2時間ほどで東峰山頂へ。
まさに白銀の嶺々の展望台であった。
東に間近の八ヶ岳、西に中央アルプス、北北西に北アルプス、南東に南アルプス・
金峰山などの秩父山系 と著名な高嶺が50座近く望まれ、
深田百名山だけでも33座を数えられるという。

P1030561_20120331143611.jpg 東峰山頂(奥に中央アルプス)
P1030557.jpg 指呼の間の西峰(1650m)

360度の展望
P1030537_20120331144027.jpg P1030539.jpg P1030559.jpg P1030562.jpg
南八ヶ岳(中央に赤岳) 北八ヶ岳(蓼科山と北横岳) 霧が峰(左)と浅間山 諏訪湖と美ヶ原

P1030536.jpg 中央アルプス(空木岳(左)~宝剣岳・木曽駒ケ岳(右))

P1030531.jpg P1030533.jpg P1030532.jpg
北アルプス連山     中央に穂高岳と槍ヶ岳   真っ白な乗鞍岳

P1030527_20120331150003.jpg                 P1030528.jpg
南アルプス(甲斐駒ケ岳~北岳~仙丈ヶ岳)    仙丈ヶ岳の右に塩見岳以南の峰々

 この季節ならではの展望の峰、守屋山にすっかり満足して1時過ぎには下山。
杖突街道を 桜で有名な高遠町まで南下。
この先、秋葉街道(152号線)は分杭峠で冬期通行止めの為 やむを得ず中央道伊那ICから
松川ICまで迂回し、
会津檜枝岐と同じように農村歌舞伎で知られる大鹿村・鹿塩温泉の宿へ。

 鳥倉林道ができるまで南アルプス三伏峠・塩見岳へはこの塩川沿いの鹿塩温泉が
登山口であった。

P1030568.jpg 元湯 山塩館(秘湯を守る会 会員)の湯

P1030574.jpg P1030573.jpg 宿の下を流れる塩川の清流と山の神の碑

(写真はクリックして拡大して下さい)



追記:
 季語でいう「山眠る」から「山笑う」へと移ろうこの季節、
彼岸を過ぎても標高があがれば雪も締まってアイゼンが再び効く。
そして厳冬期のいささかも気の許せない緊張続きと異なり、陽のあたる残雪を
楽しむ余裕がでてくるのが常であった。

 そこで今回も当初は 向かいたい高嶺をあれこれ考えたのであるが
まず、体力に自信が無くなり そのうえいまひとつ背中を押してくれる衝動が
湧かなかった。

 省みれば私は冬山で「山眠る」などの気分は全くといっていいほど実感したことが無く
まして春、「山笑う」というと雪崩を想像してしまう。
俳句のような高尚な趣味とは縁が無いと言わざるを得ない。

 この歳になると、登山を目的に本当はただ旅をしたいだけなのだろう。
それも気の赴くままに。
もはや高度な技術を要するような懸崖よりも 旅という雰囲気に包まれた静かな
山歩きがよくなったということだ。
それが縦走ならなお好もしい・・・。

 守屋山の頂で かって歩いた真っ白な嶺々を回想しながら
そんなことを考えていた。
















秩父セツブンソウ
P1030481.jpg P1030496.jpg   (写真はクリックして拡大して下さい)

 秩父、両神山の麓、堂上のセツブンソウ自生地を訪れた。
平日の午前中にもかかわらず この可憐な春の妖精を楽しむ方が多かった。

P1030509.jpg まだ雪をいただいた両神山(遠景)

P1030492.jpg P1030506.jpg P1030486.jpg 自生地

 先週の雪は山麓では既に消え、日溜まりの落葉樹林下は 色白の小さな金平糖で埋め尽く
されていた。

セツブンソウ、この上品な配色が何ともいえず可憐で美しい。

P1030485.jpg P1030477.jpg P1030500.jpg

P1030475.jpg P1030484.jpg P1030489.jpg P1030502.jpg

P1030479.jpg P1030508.jpg P1030488.jpg

P1030491.jpg 八重咲き                (写真はクリックして拡大して下さい)

(’12.3.14)

















裏磐梯 グランデコ
P1030448.jpg P1030451.jpg P1030458.jpg
ホテル グランデコ    カラマツ林         コース案内板   (写真はクリックして拡大して下さい)

 福島・裏磐梯、山形との県境に連なる吾妻連峰の山麓に開発されたスノーリゾートへ。
孫娘Mei一家のスキー行に招かれ、スキーの苦手な私は ゴンドラの山頂駅から
西大巓(1981m)へ登り、樹氷の森を散策するつもりであった。

P1030436.jpg

 八甲田や蔵王より少し小さめではあるが 毎年 この時期、見事なモンスターが
見られるとのことである。
が、気温が著しく緩み 雨交じりの吹雪による雪崩注意報が発令されたうえ、
頼みのゴンドラまでが故障で運航休止となってしまい、積雪2mを超える山頂へは登れず、
視界のない山麓でトコトコとスノーシュウの散策のみとなった。

それでもトレースのない雪の林と雪原を歩くのは久しぶりに楽しいひとときであった。

P1030462.jpg P1030456.jpg P1030468.jpg P1030470.jpg

 この吾妻連峰は かって浄土平から一切経山・家形山、姥湯温泉から兵子・東大巓へ、
また3年ほど前は白布温泉から西吾妻山へ それぞれ歩いたことがあるが
いずれも紅葉の季節であった。

 孫娘Meiは私よりスキーが上手になった。
まだ重心が後ろ気味ではあるが、中級コースを物怖じせずに滑り降りるとのこと。
                                            (’12.2.24~26)
P1030446.jpg NEC_2062.jpg P1030460.jpg P1030444.jpg